京都大学11月祭

岡崎琢磨さん(1)

1986年福岡県生まれ。京都大学法学部卒業。2012年、第十回『このミステリーがすごい!』大賞隠し玉作品として処女作『珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を』を出版。40万部を超えるベストセラーとなる。2013年、同作が第一回京都本大賞を受賞。


―京都大学の法学部出身だということをお聞きしたのですが、なぜ京大で法学部を選ばれたのですか?

 えっと、僕が中学校の時にHEROというドラマの最初のクールがあって、あれ見て法学部に行こうと決めたんですよ。そんで高校入って、成績がよかったので担任の先生に「東大か京大を目指せ」と言われまして。で、東大より京大のほうが面白そうだなと思ったという理由で「じゃあ京大にします」と言って、そのまま(京大に)来ました。あんまり進路とかで悩んだり、まともに検討したりしたことなくて、結局そのまんま来ちゃった、みたいな感じです。

―法学部だったら単位取るのが厳しいじゃないですか。勉強とかってどうでしたか?

 勉強は……。あんまり学校真面目に行ってなかったので。僕、講義に出て、「今日は真面目に聞こう」と思って話を聞いていても、五分もたないんですよ。気が付いたら違うこと考えちゃってて、結局一コマ九十分のうち、七十分くらいは違うこと考えてるんですよ。そういう性格というか体質なんです。で、毎回「次はちゃんと聞こう」と思って行ってもやっぱりそうなっちゃうんで、時間の無駄だなーと思って(真面目に学校に行くの)やめたんですよ。でもまあ、友達のノートとか借りたりとかしながらそれなりに要領よく単位取ったかなあーって感じですね。四年生の前期でもう単位は揃っていたので、後期はもう学校っていうか京都にいなかったりして。あんまり真面目に勉強してなかったので、大学まで行って学費まで出してもらって何も得るものがないっていうのもどうなんだろう、と思って、四年生の時に行政書士取ったんですけど、まあそれくらいですね、勉強したっていうのは。

―法曹を目指そうという感じではなかったのですか?

 そうですね。高校の時にバンドで食っていこうと思ったので、それ以降一度もロースクールを目指そうとかは考えたことがなかったですね。

―バンドは大学入ってからも続けられていたのですか?

 そうですね。大学の時はサークルで(バンドを)やっていました。けど、ずっとやっていたバンドのメンバーが高校の同級生だったんで、大学がバラバラになってしまったので夏休みとか地元に帰ってやるような形でバンド活動をやってて。でも全然活動できなくて、かなりこう、もやもやとしたというか、やりたいことができないもどかしさみたいなものはありましたね。

―バンドで作詞されていたそうですが?

 そうですね。曲は全部自分で作っていましたね。

―それで小説を書く方にスライドしていった感じですか?

 そうですね。バンドのメンバーがみんな就職してからもちょっとだけ一人で(バンド活動を)やっていたんですけど、やっぱり一人では音楽は難しいかなと思って、でも就活せずに卒業したし、資格も行政書士ってお金にならないし、どうしようかなと思って、小説なら一人で書けるかなと思って、小説を書くほうにシフトしたっていう感じですね。あまり抵抗なかったです。

―在学中からもう書かれていたんですか?

 いえ全く。在学時は読書すらほとんどしませんでしたね。

―11月祭に企画とか出されてましたか?

 えっと、一年生のときはお店をやりました。

―クラス模擬店ですね。

 はい。団子をつくってお店をやりました。僕はそれなりに協力したんですけど、そこまで中心に立っているという感じではなくて。あとはずっとサークルですね。毎年ライブをやっていたので。二年から四年にかけてはそれにほとんどずっといましたかね。四年の時はNFの時(京都に)いなかったかな。四年の時は地元にいたんでしょうね多分。だから、二、三年はサークルのライブに。西部講堂で「中山酒店」というイベントをやってて、あれを二年生の時には見に行って、三年生の時には出たのかな?そんな感じですね。11月祭のイメージはほとんどサークルのイメージしかないですね。だから、模擬店とか楽しんだ思い出だあんまりないんですよ。一年生の時くらいで。本当今になって思うと、学祭とか楽しんでみたかったなあというか、所謂そのフィクションの世界とかで見るような学園祭の楽しみ方みたいなのをしないまま卒業しちゃったんで、そういうことをちょっとやってみたかったな、というのはありますね。

―京都で行きつけのお店とかってありました?

 行きつけのお店かー。今はないんですけど、万城目さん『鴨川ホルモー』っていう作品に出てくる「オランジュ」っていう喫茶店でよく飯食ってましたね。

―「オランジュ」って実際にあるお店なんですか?

 実在してて、百万遍の交差点のすぐ近くにあったんですけど途中でなくなっちゃったんですよ。「オランジュ」とか、あと「ケニア」っていう喫茶店とか、そういうとこで飯食ってましたね。

―今京都でよく行かれるお店とかはあるんですか?

 いろんなところに行ってみている感じですね。なんかの記事で、(『タレーラン』の)モデルじゃないんですけど、「Cafe Bibliotic Hello!」っていう京都にあるパン屋さん併設のブックカフェみたいなところがモデルって書かれたことがあって、じゃあちょっと見に行ってみようと思って見に行ってみたりとかしましたね。あとは「六曜社」っていう三条にある有名な喫茶店で、雰囲気的には「六曜社」みたいだねって言われることがあったんでそれを見に行ってみたりとか。二回くらい行きましたかね、六曜社は。

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